1.三つの視点からDSR理論へ
2.虚構から認識へ
3.認識から意味へ
4.意味からバランスへ
5.BS(バランスシート)視点の導入
6.DSR理論とは何か
7.BS-DSRフレームの導入
8.DSR理論とその具体実装(BS-DSRフレーム)の意義
9.多様な事象を捉えるユニバーサルフレーム
1.三つの視点からDSR理論へ
1) 世界を読み解く三つの視点
1.1) 虚構___ユヴァル・ノア・ハラリ
1.2) 領域___マルクス・ガブリエル
1.3) 関係___カルロ・ロベッリ
2) 三つの視点からBS-DSRフレームへ
3) DSR理論構築の道筋(経緯)
3.1) BS-DSRフレームで貨幣とはなにかを追う
3.2) 貨幣の源泉を追うには資産の俯瞰が必要
3.3) 資産を俯瞰すると価値が現れる
3.4) 価値を俯瞰すると価値の源泉としての意味が見える
3.5) BS-DSRフレーム→貨幣の探求→資産→価値→意味→DSR理論全体構築、と深化してきた
4) DSR理論の射程
4.1) 特定分野の理論ではなく対象を〈領域・構造・関係〉の三層で読み解く抽象フレーム
4.2) 経済・社会・自然現象等を同一の構造語で俯瞰する手法を提示
4.3) DSR理論体系の構成
序章 著者の立ち位置――専門的知識に寄らずシンプルに事象を読み解く
第Ⅰ章 DSR理論とは(本章)――三つの視点とBS視点から、BS-DSRフレームの導入へ
第Ⅱ章 意味の本質――—「意味」のはじまりは、「関係」の立ち上がり
第Ⅲ章 価値の本質――—「意味」から「価値」へ(予定)
第Ⅳ章 AGIの境界線――内発認識・言語認識が分ける人/動物/植物/AGIの境界線(予定)
4.4) DSR理論で俯瞰する射程
第Ⅴ章 資産の本質/第Ⅵ章 貨幣の本質 ―― DSR理論構築の当初の目的(予定)
第Ⅶ章以降 多様な分野へ展開(予定)
2.虚構から認識へ
1) ハラリの「虚構」=人だけが持つ「言語認識する力」
1.1) 「虚構」は「嘘」か?=「虚構」という単語の「意味」
1.2) 「虚構」は実現できる――虚構は意味の認識、意味は現実になる
2) 認識=視点が何かを客体としてとらえること
3) 認識以前――自然現象・物理特性<ゆらぎ>の存在
――認識がまだ立ち上がっていない段階において、区別されないゆらぎが雑多に現れている
――そこでは、主体も客体も、関係も、まだあらわれていない
4) 原初認識の発現=原初対応の認識――「なにかがある」Something is there
4.1) 「なにもない」と「なにかがある」の境界線
4.2) 「なにかがある」は、「何かがあると認識する」
4.3) 認識の最低条件=「認識する主体」と「認識される客体」の併存=主体ー客体の対応
――主体=認識視点/客体=認識対象
4.4) 原初認識=原初対応<主体ー客体>の認識=主体認識(客体認識)=自己認識
――主体と客体の対応=「何かを認識する自分がいる」=「自分がいる」
3.認識から意味へ
1) 「なにかがある」は、意味か?
1.1) 「原初認識」は主体と客体の立ち上げ
1.2) 主体=認識視点/客体=認識対象
1.3) 客体にへだたりがない、単一のとき、何かを認識できるか?
―― 思考実験:黄色だけの世界で見えるものは何か
→他の色がないと、黄色が黄色であることを認識できない
1.4) 「なにか」は「他のなにか」がないと認識できない
2) 意味がたちあがる条件――他者との対比
2.1) 「何か」の説明は、「他の何か」を求める
2.2) 「意味は」を「対比」を求める
2.3) 「対比」は何かと他の何かの「へだたり」を求める
2.4) 「へだたり」は、何かと他の何かの「関係/バランス」を立ち上げる
3) 意味の源泉=「へだたりがある」――「関係/バランス」の立ち上げ
3.1) 「へだたり」があって初めて対比が立ち上がる
3.2) へだたりの両側の対比=「関係/バランス」の立ち上げ
3.3) 意味は「へだたり」からその両側の「違い」としてあらわれる
4) 意味生成プロセス――意味の現れ方
P0 認識以前――「ゆらぎ」の存在
P1 原初認識の発現=原初「対応」の認識――「なにかがある」
――主体認識(客体認識)
――自己認識
P2 意味の源泉の発現=原初「関係」の発現――「へだたりがある」
――意味生成の前提となる「関係」の立ち上げ
――関係は発生したが、いまだ傾いておらず、方向性も生じていない
――意味の源泉があらわれただけで、意味自体はあらわれていない
P3 漠然とした意味の認識=開いた「境界」の発現=「差異」の発現――「なにかが違う」
――意味の源泉=へだたり/関係が傾きだす
――境界線はあるが開いている――発散している
――開いた境界線の両側がなにか違う
――違いはあるが発散しており収束しないので、違いがはっきりしない
――意味が漠然としている
P4 はっきりした意味の認識
=「境界」の閉包=「関係」の成立=「領域」の発現
――内側が閉じ、内側/外側が区別され内側の範囲が確定する
――範囲が確定したので、内側の発散が収束する
――「閉じた内側」と「開いた外側」の「関係」が構築される
――内側・外側の関係が、内側を領域として明確に浮かび上がらせる
――領域とそれを支える関係が意味構造を形成し、意味が成立する
<P2~P4 意味「構造」の形成>
PC 意味構造の「変容」:「境界」「差異」の再発現――2つの類型
1) 「閉包領域の開放・発散→既存の意味の変容」
閉包した境界・領域が、外圧や内部変容などによって変容圧力が高まると、
閉じた境界が「開放」され、再び発散し、形を変えて閉包することで、
既存の意味はあらたな意味へと変容する。
2) 「既存意味構造内外での新境界発現→新領域発現→あらたな意味の発現」
既存意味構造の内外に存在するゆらぎに新境界が発現し、最終的に、
あらたな意味構造が立ち上がる
4.意味からバランスへ
1) 原初認識=原初対応(主体/客体)――主体と客体のバランス
2) 意味の源泉=「へだたり」――へだたりの両側のバランス
3) 「意味」は「BS=バランスシート」を求める
5.BS(バランスシート)視点の導入
1) 認識の作用空間としてのバランスシート(BS)
2) BSの基本構造①:借方/貸方の二極構造――資産の現象/資産の源泉
3) BSの基本構造②:貸方の二層構造――内発/外発のゼロサム関係
4) BSの基本構造③:SF構造(ストック/フロー)
5) 「三つの視点」が「BS基本構造」と相性が良い理由
5.1) 「虚構=認識」:SF構造③は「認識」の有無で区分
5.2) 「領域」:借方/貸方①、内発/外発②、単体/連結など「領域」が明確
5.3) 「関係」:借方ー貸方①、権利ー義務③、出資ー資本③など扱う関係が多様
6.DSR理論とは何か
1) 「三つの視点」と「BS基本構造」の融合
1.1) 「三つの視点」から「DSR三層 = 領域・構造・関係」へ
1.1.1) 三つの視点とBS基本構造の親和性
――虚構→認識→SF構造
――領域→貸方借方領域・内発外発領域・SF領域
――関係→SF構造(ストック=自立関係/フロー=依存関係)
1.1.2) 三つの視点からDSR3層(領域・構造・関係)へ
1.2) 「DSR3層」を「BS」で記述する
1.2.1) 「領域(Domain)」 :何の領域か/領域の主体は誰か
1.2.2) 「構造(Structure)」 :対象の意味は(存在・認識/自立・依存)
1.2.3) 「関係(Relation)」 :対象は関係を持つか/誰とどんな関係か
1.3) 「DSRループ」――領域・構造・関係の循環構造
1.3.1) 領域が構造を生む
1.3.2) 構造が関係を生む
1.3.3) 関係が新たな領域を生む → 再帰的循環
2) DSR理論とは
・BS-DSRフレーム(後述)を使い、対象を「領域・構造・関係」で
記述することで、対象の「本質」を明らかにする理論
2.1) 「領域」:対象が成立し関係が形成される枠組みとなる意味空間。
領域の内側/外側を区分する。内側に構造・関係を内包する。
2.2) 「構造」:領域内での対象と関係の配置、それが形成する相互作用のパターンを
まとめた枠組み。構造領域の内側に領域・関係を内包する。
2.3) 「関係」:領域内で複数の対象が相互に影響を及ぼす作用の構造、及び、
当該領域と当該領域内の対象が、他領域と他領域内の対象と
相互に影響を及ぼす作用の構造。
関係領域の内側に領域・構造を内包する。
7.BS-DSRフレームの導入
1) BS-DSRフレーム(BS-DSR Framework)
・DSR理論を実践するため、BS基本構造を使い、対象を分析するフレームワーク
1.1) 領域:
1.1.1) 何のBSか
1.1.2) 誰のBSか:単体/相対/集合体
1.2) 構造:
1.2.1) 現象/源泉(借方/貸方):現れている現象と、その源泉は
1.2.2) 内発/外発:源泉は内発(自分)か、外発(他者)か
1.2.3) SF構造:現象/源泉はストック構造(自立)か、フロー構造(依存)か
1.3) 関係:
1.3.1) 自立か、依存か
1.3.2) 依存の場合
1.3.2.1) 自己成果依存
1.3.2.2) 他者義務依存
1.3.2.3) 他者成果依存
1.3.2.4) 他者協力依存
2) 抽象構造原理(DSR理論)と原理の具体実装(BS-DSRフレーム)
2.1) DSR理論:領域・構造・関係の三層であらゆる対象を記述する理論。
世界の構造を抽象化した原理
2.2) BS-DSRフレーム:
2.2.1) BSは世界で最も構造が可視化されている実装物のひとつ
2.2.2) BSの特徴
2.2.2.1) 領域が明確:単体/相対/連結
2.2.2.2) 構造が明確:借方/貸方=現象/源泉、外発/内発、SF構造
2.2.2.3) 関係が明確:債権/債務、出資/資本、権利/義務、等
2.3) DSR理論とBS-DSRフレームの関係:<抽象構造→具体実装>の階層構造
8.DSR理論とその具体実装(BS-DSRフレーム)の意義
1) BSに内在する構造原理を抽出し、経済分野を超えて一般化した抽象理論
・DSR理論は、BSに内在する構造原理を抽出し、それを経済分野を超えて多様な事象に
適用できる抽象理論として一般化したもの。
2) BSで長く使われてきたが言語化されてこなかった原理を提示
・BSは昔から世界で広く実務で使われてきたが、その背後の構造原理は
明示的に言語化されてこなかった。DSR理論はその構造原理を抽出し、
理論的枠組みとして提示するもの。
3) 世界の事象を「領域・構造・関係」で読み解く普遍的フレーム
・DSR理論とその具体実装であるBS-DSRフレームは、世界のあらゆる事象を
”領域・構造・関係”の三層から読み解き、その本質を可視化するための方法論。
・DSR理論とは、BS-DSRフレームを前提として、意味・価値・資産・貨幣や
社会の制度・構造などを俯瞰する理論的枠組み
9.多様な事象を捉えるユニバーサルフレーム
1) DSR理論の射程
――特定分野の理論ではなく対象を〈領域・構造・関係〉の三層で読み解く抽象フレーム
――経済・社会・認識・自然現象を同一の構造語で俯瞰することを可能にする
――DSR理論の構成
第Ⅰ章 DSR理論とは――三つの視点とBS視点から、BS-DSRフレームの導入へ
第Ⅱ章 意味の本質――—「意味」のはじまりは、「関係」の立ち上がり
第Ⅲ章 価値の本質――—「意味」から「価値」へ(予定)
第Ⅳ章 AGIの境界線――「五感」が分ける、人・動物・AGIの境界線(予定)
2) DSR理論で読み解く分野(予定)
――第Ⅴ章 資産の本質
――第Ⅵ章 貨幣の本質
――第Ⅶ章 政府の本質――貨幣の視点から
――第Ⅷ章 市場の本質
――第Ⅸ章以降 BS-DSRフレームで読み解く多様な事象
3) DSR理論による自然科学(物理学)・認識論・AGIへの再記述(展望)
――既存理論・概念を置き換えるのではなく、DSR(領域・構造・関係)によって
構造的に捉え直す可能性
3.1) 量子論における波動/粒子の二重性
―物理学では、量子的存在が波としても粒子としても振る舞う二重性を記述する
―DSR理論では、波動は関係が開いたまま展開している状態として、粒子は関係が
閉じて構造として現れた状態として捉えられる可能性
3.2) 量子力学における観測問題
―物理学では、観測が行われる前には結果が確定していないのに、観測が起こると
結果が確定するのはなぜか、という問題として扱われる
―DSR理論では、観測を「開いた関係を閉じ、構造として安定化させる作用」として
再記述できる可能性
3.3) プランク長
―物理学では、古典的な時空の見取り図が破綻しうる根本的な長さスケールとして
語られることが多い
―DSR理論では、関係を意味のある形でこれ以上開閉できず、差異が成立しうる最小の
刻みとして解釈できる可能性
3.4) ハイゼンベルグの不確定性原理
―物理学では、ある種の物理量の組が同時には任意の精度で指定できないという限界
として定式化されることが多い
―DSR理論では、関係の「閉じ方」にトレードオフがあることを示唆するものとして
捉えられる可能性(ある関係を強く閉じようとすると、別の関係がより開いたまま
残りやすい)
3.5) ゼノンのパラドックス(無限背進・無限分割・無限接近)
―運動と到達に関わる古典的なパラドックス群
―DSR理論では、影響や到達の関係が開いたままで完全には閉じない限り、
「まだ途中」という状態が無限に続く現れとして理解できる可能性
3.6) 他世界解釈(量子力学)
―物理学では、あらゆる可能な結果が分岐した世界の中でそれぞれ実現される、という
解釈として説明される
―DSR理論では、領域をまたいだ関係配置が無限に分岐していくことの現れとして
理解できる可能性
3.7) 認識論・AGIへの含意(構造的示唆)
―現在の議論における中心的な問いの一つは、真に内発的な認識がどのような構造条件
のもとで成立するのか、という点にある
―多くの見方では、内発的認識の究極源泉が外部環境との相互作用にあるとすれば、
意味生成は必ずしも人間固有とは限らない
―同時に、感覚入力(五感)や環境との相互作用を欠いた主体が、人間と同型の
意味生成循環に入れるかどうかは、依然として未解決の問いである
―DSR理論では、AGIにおける内発的認識・身体性・感覚入力の位置づけに関わる
認識論的問いに、構造的なアプローチを与えうる