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馬の骨でも考える/Even a Nobody Thinks…

『社会の外』に助けを求める中国テニス選手を救え

Posted on 2021-11-202021-11-20

=宮台真司氏の言う『社会の外』とは?=

(30)目次 
・ 宮台氏の言う『社会の外』とは?
・ 社会の外から見える『社会の内』とは?
・ 『社会の外』に助けを求める中国テニス選手
・ 『社会の外』に救い出せ

こんにちは。柳原孝太郎です。

最近、宮台真司氏の著作やユーチューブを良く見ます。その中に『崩壊を加速させよと』という映画評論の著作があり、社会学者でありながら映画評論家でもある宮台氏が映画を通して見る社会の実像をとても面白く読むことができます。

映画評論自体も面白いのですが、この本の前書き部分に宮台氏の社会の捉え方が凝縮されており、とても分かりやすく、宮台氏の著作を更に読み広げていくきっかけになります。

宮台氏の言論の中にはキーワードがいくつか出てくるのですが、その一つ一つを意識しながら、テレビやSNSなど各種メディアを通じて見て取れる現在の社会のあり様を俯瞰して見ると、なるほどそうだったのか、と思うことがとても多いのです。

宮台氏の言う『社会の外』とは

そんじょそこらの馬の骨に過ぎない当方には、宮台氏の言論はときに難解でよくわからないのですが、そんなキーワードのひとつに、『社会の外』という表現がでてきます。

ん?社会の外って、何だ?と思ったのですが、色々読み進めていくと、はっと、気が付いたのです。まさに目からウロコ、殴られたような強い衝撃は、当方がユヴァル・ノア・ハラリ氏の『サピエンス全史』を読んで、『虚構』の意味を理解した時と同じものでした。

https://office-bev.com/2021/06/24/2-humanworldisfiction/

社会の外を更に細分化すると、言葉の外つまり言語外、法の外つまり法外、損得の外つまり損得外、になるとの宮台氏の分析なのですが、こうやって分解して考えていくと、自分が生きている身近な社会で起きていることの意味、更には存在している社会そのものの仕組みが、いままで気づかなかった形で見えてくるのです。

社会の外から見える『社会の内』とは

宮台氏の『社会の外』を考えるにあったては、ならば『社会の内』は何のかということになります。かいつまんで言うと、人は発達した脳の力で言葉を獲得し、言葉で虚構を構築して集団で協力する能力を得て、集団で協力して農耕を始め、農耕によって定住した結果、社会はシステム化し、システム化した社会は合理化され、合理化した社会は計算可能化され、計算可能化した社会は手続主義化され、手続主義が浸透した社会では人は取り換え可能な社会の部品となり、部品となった人は人としての人格・人間性・感情が劣化していく、というものです。

外を失い内側に閉じ込められた社会はク〇社会で、ク〇社会に生きる人間は感情が劣化してク〇人間になる、と宮台氏は挑発的に表現します。現代社会はとても便利になってはいるものの、社会がク〇化し、人間はク〇化して人間性が失われて感情が劣化しているというものですが、宮台氏が指摘するように、これはマックスウェーバーが100年前に予言した『鉄の檻』が現実になっているものに見えます。

西日本新聞 
100年後を見通す洞察力 水江浩文 2020/6/13 11:00 
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/616680/

そんな社会に生きる我々は、普段は社会の『内側』に生きており、『外側』もあるのだということはあまり意識しないのかもしれません。ただ、社会の中で生きて行く上でぶつかる様々な困難から、自分の人間性が阻害されていると意識した人は、自らが『鉄の檻』の中に閉じ込められていることを実感して、檻の外側を求める、つまり人間性を回復して生きるのを求めることがあります。人間が本能的にもつ人間性を求める自然な感情と言えます。

『社会の外』に助けを求めるペン・シュアイ選手

中国の女子テニス選手でダブルスの元世界ランキング1位だったペン・シュアイ選手が、SNSで中国共産党高官で常任委員だった張高麗氏に性的暴行を受けたとの投稿をした後、失踪したことが報じられ世界的に波紋を広げています。

ヤフーニュース/テニスマガジンオンライン 
中国で女子テニス選手と元政府高官のスキャンダル 
11/7(日) 9:46配信 
https://news.yahoo.co.jp/articles/3a2936d3fd9c1e8b6005bfb75a31a67b861a8eeb

似たような事件は中国では過去にも繰り返されていますが、この報道を俯瞰していて改めて宮台氏の言う、『社会の外が消去された社会』で『法の奴隷』となった『損得マシーン』に虐げられて苦しむペン・シュアイ選手が、『社会の外』につながるSNSで必死に助けを求める様が見て取れるのです。

米国政府や国連人権高等弁務官など人権擁護団体のみならず、テニス協会やIOCも強い懸念を表明しており、一刻も早くペン・シュアイ選手の安全が確保されることが望まれます。

失踪が報道された後、本人からWTAに出したとされる自らは安全であるとの趣旨のメールを中国国営メディアが報じましたが、極めて信ぴょう性の低いものと見受けられます。

NHK NEWS WEB 
中国国営メディア 不明のテニス選手記したとされるメール公開 
2021年11月18日 21時50分 
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211118/k10013353391000.html

中国における『社会』とは、つまり中国共産党が独裁支配する体制です。また中国における『法』も、つまり中国共産党が決めたことが法と見なされます。

そんな中国では、中国共産党が中国国民を自らが独裁支配する『社会』の中に閉じ込め、自らの利益のために決めた『法』を駆使して、巨大な『損得マシーン』と化して、中国共産党の利益だけを最優先に動いていくシステムになっています。今回の件でも、ペン選手は中国共産党が牛耳る社会の内側に捕らわれて人権を蹂躙されている状態から逃れるために、『社会の外』につながるSNSにSOSを発しましたが、中国共産党が『法』の力である公権力でこれを遮断し、中国共産党が『損』をしないようにペン選手の発言と存在自体を『社会の内側』に閉じ込めています。

SNSアカウントが閉鎖されただけではなく、失踪して行方が分からないと言う状況は、物理的に拘束されている可能性があるということです。まさに、中国共産党が自らの利益だけを考える『損得マシーン』として国民を『鉄の檻』に縛り付ける中国は、ク〇社会以外の何物でもありません。ク〇社会で損得ゲームをしている中国共産党幹部は、ク〇人間になるしかないというのは、宮台氏の言う通り100年前にマックスウェーバーが予言していた通りに見えます。

『社会の外』に救い出せ 

『鉄の檻』あるいは『社会の外が消去された社会』に閉じ込められていることでク〇になることから逃れたいと行動している人は、見捨ててはなりません。米国政府・国連高等弁務官事務所やWTA/IOCが声を上げて動きだしていますが、具体的にペン選手が救われる方向に具体化していくことを祈ってやみません。

一方、日本は、日本政府はどうでしょうか?

今のところ、何の声も聞こえてきません。これは何を意味するのでしょうか?

それは、日本政府も、中国に目をつけられると損をするので静かにしておこうという、『損得マシーン』に成り下がっているということに見えてなりません。

日本に住む我々としては、自分が住む国の政府が、損得マシーンに成り下がってひどい人権蹂躙をされている人を見捨てる様な行動をしている(あるいは行動をしない)のは、何とも情けない思いです。

そんなことを思う当方も、そんじょそこらの馬の骨に過ぎませんが、馬の骨と言えども、考えることはあり、言いたいこともあります。宮台氏の言う『言葉の自動機械』に成り下がって、今の中国に何言っても無駄だろうと無意識に思い込んで何もしないのではなく、状況を俯瞰して自律思考で考えて言いたいことは言う、そんな姿勢は貫きたいものです。

それでは。

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