=『先生』には称賛を、『医療屋』には制裁を(23)=
こんにちは。柳原孝太郎です。
新型コロナ感染爆発・医療崩壊を目の当たりにしている現在、橋下徹氏の「医療界に制裁を」と言うツイッター発言が、ネットで怒りを買って叩かれています。
「医療界」に「制裁」という言葉だけを切り取ると、怒りを覚える医療関係者がいるのは当然と思います。特に身を粉にして眠る時間も無くコロナ対応されている医療現場の方々が、この発言を自分が「制裁」されるのかと読む場合、怒りしか覚えないのは容易に想像できます。
二行のツイッターの中で全体の文脈の説明も無く、「医療界」と一括りにして「制裁」をつぶやくことはさすがにネット民から炎上を招くのは自明で叩かれて当然と思う一方で、現在の日本が置かれた状況を俯瞰して見る場合、当方は、全体の文脈の中で橋下氏が「医療界に制裁」と言いたい意味を理解できると思っている一人です。
新型コロナが発生してから政府の対応の無策ぶり、医療業界の対応状況がメディアで報道されていますが、その中で日本医師会の実態についての情報がいくつも出てきています。
当方も過去のブログ記事で取り上げましたが、最近見つけた以下の記事も上げておきます。
ヤフーニュース/bizSPAフレッシュ ワクチン接種遅れの元凶「日本医師会」の正体。中川会長にSNSで批判も 6/20(日) 8:45配信 https://news.yahoo.co.jp/articles/516060bc0e8e1ad5466e3a135c164784d1164361
現在、新型コロナで治療を受けたい人が受けられずに自宅で死亡する人が急増しており、先日は新型コロナに感染した妊婦が救急搬送を断られ自宅で出産、新生児が死亡するというなんとも痛ましい事故が起きました。更に先ほどテレビ朝日の報道ステーションを見ていたところ「命の選別」という話が出始めており、当方も戦慄を覚えています。
人の命が見捨てられることが、まさか自分が生きている日本で起きるとは思ってもいませんでした。
もちろん人類が初めて対峙する新型感染症です、まず政府が国を挙げて対応しなければならないのは言うまでもありませんが、現在の政府の無策・無能ぶりは目を覆うばかりです。政府の対策が行き届くまでは、国民は命を医者の先生方に預けるほかありません。ただ、新型コロナが発生した昨年からメディアでは、一部の真摯に新型コロナ対応をする心ある医師が、他の医者はもっと新型コロナに対応すべきだとの発言をしていることも頻繁に報道されています。つまり、医者の目から見て他の医者は対応できることをやっていないと映ることがあるということです。可能であるのに未だ新型コロナ対応をしていない医者は、患者が治療を受けられずに見捨てられ、命を落としている現在の状況を目の当たりにしながら、何か思うところは無いのでしょうか。
以下の記事の通り厚労大臣も突っ込んだ発言をしましたが、新型コロナ対応の補助金を受けながら新型コロナ患者を受けない医者がいる可能性があるので調査するとのこと。
JIJI.COM 田村厚労相、消極的なら「補助金返還も」 医療機関の患者受け入れ―新型コロナ 2021年08月22日11時21分 https://www.jiji.com/jc/article?k=2021082200197&g=eco
ヤフーニュース/JIJI.COM 尾身会長、医師らに強く協力要請を 西村担当相、休業要請も選択肢 新型コロナ 8/22(日) 11:52配信 https://news.yahoo.co.jp/articles/ac9c2f17d41876616ba511c015b539acc043d82c
もしその様な医者がいるとすれば、そんな医者は新型コロナを利用して金儲けするとの発想しかなく、目の前の患者が治療を求めたら「正当な事由が無いかぎり」治療を拒否してはならないという「応召義務」を放棄した、医療を金儲けの手段としか考えない『医療屋』です。救急搬送が断られる裏でこのような医療屋が自分にコロナは関係ないと高を括ってお札の枚数を数えているのではとの疑心暗鬼を覚えてしまう状況では、頭に血が上って「制裁」という単語をネット上で口走ってしまう人が出てきても不思議ではありません。
当方は橋下氏の支援者でもなんでもなく、彼の発言には是々非々で良いと思うところも、「はぁ?」と首をかしげるところもありますが、今回の橋下氏の発言、及びそれがネットで叩かれる様を見ながら、全体の文脈から思ったことは上述の通りです。
「医療界」に「制裁」という言い方をした橋下氏が、医療現場で身を粉にして休みも無く新型コロナ対応をしている医療従事者から猛反発を受けるのは至極当然と言えます。「医療界」と一括りにされてしまうと、新型コロナに真摯に対応している医療従事者たちも自分も含まれていると思ってしまうからです。ネットメディアもそういう情報の切り取り方をしているように見えます。ただ当方から見ると、橋下氏が制裁と言っているのは、既に現場で新型コロナ対応を必死に頑張っている医療従事者の事では無く、自分はコロナは無関係だと高を括って患者を見捨てている人とか、あるいは事によると新型コロナ対策の補助金を受けながら病床が空いているのに新型コロナ患者を引き受けない医療機関とか、そんな人達の事で、その様な医療従事者がいれば直ちに制裁を加えるべき、と言っている様に見えますし、そうであれば当方も同感です。
その様な医者の『先生』と呼ぶのはふさわしくない不届きな医療従事者については、以下の様な記事からも見て取れるようにメディアで様々な報道がなされています。
PRESIDENT Online 2021/07/01 11:00 「国民の命より開業医が大事」まともな医者ほど距離を置く日本医師会はもう要らない これでは誰も医者を信じられない https://president.jp/articles/-/47490
デイリー新潮 「開業医に治療を拒否できないように」 日本一コロナ患者を診た「町医者」が語る日本医師会の問題 週刊新潮 2021年6月17日号掲載https://www.dailyshincho.jp/article/2021/06170556/?all=1&page=1
上記記事の中に出て来る兵庫県長尾クリニックの長尾院長のコメントの一つを以下に引用します。
(引用)
未知の感染症のため、最初は多くの医療機関が発熱患者の診療を拒みましたが、1年たってもそれが続いています。火を怖がって火事の現場に行かない消防士と同じでありえない。それでも日医(日本医師会)は国民に「家にいてください」と命令するだけ。かかりつけ医に対する、発熱患者をどう診て自宅療養者をどうフォローすべきかというメッセージは、これまでゼロです。
(引用終わり)
橋下氏が先のツイッターで「医療界」と発言をしたのは、当方は直ぐに日本医師会のことだと勝手に理解し、納得していました。
繰り返しますがもちろん、現在の感染爆発の中で休暇も寝る間も無く新型コロナ対応に命を懸けて奮闘している医療従事者の人達には感謝しかありません。一方で、これらのメディア情報を見ている限り当方にはどうしても「医療界」には、医療を金儲けの手段としか考えていない『医療屋』の存在がある様に思えてならないのです。
(「『先生』の中に『医療屋』が潜む日本の医療現場」 については ↓↓↓ )
上記記事でも書きましたが、感染症対策は、医療屋が混じる民間医療機関主体の日本では対応に限界があると思われます。公立病院とか、ようやく議論が始まった野戦病院形式での大規模受け入れ態勢などの公的な枠組みを政府が早急に構築することが必要です。現在の政府は過去一年半、ほとんどかような動き方はできておらず、今の政府にできないのであれば、できる政府に交代してもらうしかありません。
次の衆議院選挙はその様な政府を実現する絶好のチャンスです。当方はたかが一票しか行使できませんが、されど貴重な一票です。国民のことを最優先に国民の奉仕者として行動してくれる、そんな政治家を見つけて、次の衆議院選挙では渾身の一票を投じたいと思います。
それでは。