=感情が劣化した政治家の醜い所作=
(33) 目次 ・ 政治家が雇用調整助成金をもらっている!? ・ 何のために政治家をしていたのか? ・ そもそも、人として恥ずかしいという感情は無いのか? ・ ク○社会が生み出す感情が劣化した人々
こんにちは。柳原孝太郎です。
自民党の石原伸晃氏が新型コロナ対策の雇用調整助成金をもらっていたことが明らかになり物議をかもしています。報道を見ながら、宮台真司氏が言う『感情の劣化』した『損得マシン』『法の奴隷』とはこういうことかと改めて相槌を打ってしまうのです。
政治家が雇用調整助成金をもらう!?
この報道を最初に見た時に思ったのは、理解できない、でした。制度として政治家・政治団体がもらえるのか否かの前に、現在まで約2年のあいだ世界・日本で展開されてきた新型コロナウィリスのパンデミックのストーリーの中で、政治家がコロナ対策雇用調整助成金をもらうという出来事自体、当方の認識の中では存在しないもので、かなり違和感がありました。
なぜ違和感を感じるのか考えて見たところ、いたってシンプルでした。つまり、コロナ助成金はコロナで苦境に陥った国民を助けるものであり、政治家が国費を使いその仕組みを作って実行します。政治家はもらう人ではなく、国民を助ける人、助成金を配る人、です。ところが助ける人が、ちゃっかり助けられる側に回ってお金をせしめている。
そんなアホな、が正直なところです。
その後メディアの報道も見ていますが、どうも、制度的・法的には、政治家・政治団体も雇用調整助成金を申請することができる様で、石原事務所も間違ったことはしていない、という主張です。
朝日新聞デジタル 石原伸晃氏の政治団体、コロナ対策の助成金受給 「適正に申請した」 保坂知晃2021年12月9日 19時45分 https://www.asahi.com/articles/ASPD96FX9PD8UTIL03K.html
おいおい。ただ、自民党内でもこの石原氏の対応に苦言を呈する声が上がっているのが、せめてもの救いです。
何のための政治家なのか
石原伸晃氏は先の衆議院選挙での落選の後、内閣官房参与への登用が発表されたことでこちらも物議を醸していたわけですが、そもそも、何のために政治家になったのでしょうか?
石原伸晃氏と言えば知る人ぞ知る石原一族の一員、政治家・俳優・タレントが勢ぞろいした日本では知らない人がいない程のサラブレッドの家系です。そんな人が、数十万円に困っているとは、国民の誰も信じません。その貴重なお金は、救いの手が届いていないコロナ被害者に少しでも多く届けるべく尽力するのが、国民が思っている政治家の姿です。石原軍団の一員が、こそこそ目先のお金に目がくらんで時間をかけて申請手続きをしているのは、なんとも情けない話です。
そもそも恥ずかしいという感情は無いのか?
石原伸晃氏は今回の件で自分が国民からどう見えるのかについて、想像できているのでしょうか?事態がわかった後も、「適正に申請した」という開き直りを見せていることから、『国民に見られている自分』を俯瞰して把握できていないようです。もし俯瞰できていたら、更に、自分が名門・石原家の一員であるとの誇りがあるのなら、今回の様な話で国民が冷たい目線を送ることに対しては、『恥ずかしい』という思いが湧くはずです。
ただ、どうもそういう感情が湧いている感じは見受けられません。
斯様な姿を見るににつけ、宮台真司氏が言う、『感情が劣化』した『損得マシン』『法の奴隷』に成り下がった姿とはこれか、と相槌を打つ思いがしています。
ク○社会が生み出す感情が劣化した人々
合理化が進んで計算可能化した社会は手続き主義化し、手続き主義が行きつくところで人が損得しか考えない様になることで社会がク○化し、ク○化した社会が人の感情を劣化させているのが現代の社会システムであるのは、宮台真司氏の著作から知ることができます。
石原伸晃氏の今回の姿は、宮台氏の言うク○化した社会が生み出す感情が劣化した人の例としてとてもよく理解ができます。そもそも政治家とは、という点について、正義か否かではなく、損か得かを優先していること。そもそも雇用調整金を申し込むか否かについて、正義か否かではなく、損か得かをベースにして制度(法)的にできるかできないかしか見ずに、自らの損得の為に正義か否かは放り出して制度を利用(悪用)していること、つまり、法の奴隷になっていること。そんな人が今まで自民党の重鎮として日本の政治のど真ん中にいた事実を見るにつけ、宮台氏の言う通り、日本の社会もク○化して法の奴隷となった損得マシーンが牛耳っているのだと実感してしまうのです。
日本社会に生きる人々の感情の劣化については、宮台氏の言うことに耳を傾けながら、これからも俯瞰して見て行きたいと思います。
それでは。
1 thought on “石原伸晃氏に見る『損得マシン』『法の奴隷』の姿”
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