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馬の骨でも考える/Even a Nobody Thinks…

自給自足が生み出した『剰余』

Posted on 2024-12-112024-12-11

BSから見える『お金のしくみ』
★Ⅰ.馬の骨でもわかる『BSのしくみ』
★Ⅱ.馬の骨でもわかる『お金のしくみ』
  【1】貨幣の機能
    2.自給自足における貨幣的機能 <★★★今回はココ★★★>

★Ⅲ.BSから見える『財政破綻とは何か?』
★Ⅳ.BSから見える『成長とは何か?』

★ 目次
★Ⅱ.【1】貨幣の機能

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

<本稿のイイタイコト>

Ⅱ.馬の骨でもわかる『お金のしくみ』
【1】貨幣の機能 2.自給自足における貨幣的機能
  <自給自足が生み出した『剰余』>

・自給自足では相対的な経済関係が存在していないため、経済活動の類型(資産増減の類型)
 は以下の3つになる。
  ◆ストックx単体:【Ⅰ】ストック自己増減 ①ストック自己増殖
  ◆フローx単体 :【Ⅲ】自己フロー投入  ⑤消費フロー
  ◆フローx単体 :【Ⅲ】自己フロー投入  ⑥事業フロー


・貨幣発生以前の自給自足経済を資産増減類型で俯瞰すると、自給自足経済における
 貨幣的機能は『労働力』『物品』である
ことが見て取れる。

・『労働力』『物品』が貨幣的機能を果たす過程で自給自足において『価値保存』機能が
 発生し、それが『剰余』を生み出す。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

今回から『Ⅱ.馬の骨でもわかる「お金のしくみ」』を始めます。始めるにあたり、まず全体の構成を説明しておきます。

貨幣のしくみを理解するため、まずお金はどのような機能を果たしているのかを把握します(【1】貨幣の機能)。

次に、お金といっても実際には様々な形態があるので、その種類を把握します(【2】貨幣の類型)。

その上で、信用貨幣の不思議な力を理解するために不可欠な、貨幣発行の類型について見ていきます(【3】貨幣発行の類型)。

今後信用貨幣の不思議なしくみを理解していくにあたり、この『貨幣発行の類型』が重要な役割を果たします。貨幣発行の類型が把握できたら、それを使って、我々が現在置かれている貨幣経済・信用経済と、それを管理している国家の役割(税金・国債の役割等)について見ていきます。

以上が『Ⅱ.馬の骨でもわかる「お金のしくみ」』の構成です。

それではまず、最初の『貨幣の機能』についての考察を始めます。

今回・次回の二回にわけて要点を見ていきますが、見ていくにあたっての前提の確認をします。

一般的に言われている『貨幣の機能』について、以下の目次ページの1.に記載しました。すなわち、基本的な貨幣の機能としては、

価値尺度・交換媒体・価値保存

の三つがあると言われています。

★Ⅱ.【1】貨幣の機能

この三つ以外に貨幣の機能として挙げられるものはないか、この三つはどのような経緯で発生してきたか、等々については、Chattyくんの力を借りて確認しました。結果のまとめ表と検討ベースのChattyくんの出力は以下の通りですので参考にしてください。

https://chatgpt.com/share/67525b7a-c07c-800e-abca-30bd5567e30b

『貨幣の機能』の検討を進める前提は以上です。ここから、今回の本題である『自給自足』に入ります。

Ⅱ.【1】2.自給自足における貨幣的機能

貨幣とはどのようなものかをBSのしくみを使ってこれから見ていくのですが、貨幣及び関連する資産がBS上でどのように動くかを見ていく前に、その準備として貨幣の機能と種類を把握しておきます。

機能については、基本的な確認は上述通りChattyくんの力を借りて実施済ですが、貨幣が無かった時代に貨幣的な機能を果たしていたものは何だったかを確認した方がよいと考えました。そうすることで貨幣の理解が深まるであろうとの前提に立つためです。

貨幣が無かった時代の貨幣的機能を俯瞰するにあたり、貨幣が無かった時代の経済形態とは何か?を設定しなければなりません。ここではその大きな二つとして、『自給自足』と『物々交換』が存在するとの前提に立ち、それぞれについての『貨幣的な機能』を見ていくことにします。

今回はその一回目、『自給自足』について確認します。

進め方としては、まず自給自足経済における資産増減類型を確認します。その上で、自給自足で経済活動がまわる(資産増減する)時に、貨幣的な機能を果たしているものは何か?を俯瞰してみることにします。まず、自給自足の資産増減類型の確認をします。

自給自足の資産増減類型

自給自足の例として、ここでは漁師が自らの食料として魚を獲って生活している場合で考えます。自給自足経済の特徴は、相対関係がないことです。漁師の活動は海(あるいは川)で魚を獲ることで完結しており、漁師以外に経済主体となる他者は存在しません。まだ物々交換が始まる前ですから、漁師は魚だけを食べて生活しています。また、漁師が個人であるか集団であるかを問わず、集団でも単体(個人としての漁師が集まっている一つの集団としての単体・連結体)とみなして考えます。

上記の前提での漁師の自給自足経済の対象領域は以下の通りとなります。

つまり、構成要因は漁師(単体)と魚が獲れる海(自然)、だけです。

この対象領域の中で漁師の経済活動が行われます。ここに資産増減の類型を当てはめてみます。相対関係がなく単体としての活動ですから、類型は『単体』に限定されます。つまり、『【1】ストックx単体』か、『【Ⅲ】フローx単体』の二種類のみが対象です。具体的には、以下の3つの類型が自給自足経済における資産増減の類型ということになります。

 ◆ストックx単体 : 【Ⅰ】ストック自己増減①ストック自己増殖
 ◆フローx単体  : 【Ⅲ】自己フロー投入⑤消費フロー
 ◆フローx単体  : 【Ⅲ】自己フロー投入⑥事業フロー

★Ⅰ.【3】資産増減の類型

<ストックx単体>自給自足における①ストック自己増殖

自給自足の漁師は、経済活動における相対関係がありませんので、負債(他人のもの)はありません。よって、借方/資産と貸方/純資産(自分のもの)がバランスしているBSの構成となります。借方/資産としては『労働力』を設定します(*1)。対応する貸方/純資産の勘定科目は、表現方法は様々な考え方があるでしょうが、ここでは、労働力を生み出す自分のものは『生命力』である、と考えることにします。借方/貸方がバランスするので、労働力と生命力の大きさは等しくなります(下図の通り)。

さて、ある日漁師が朝起きて、海辺を散歩していると、高潮で打ち上げられた魚が浜辺でぴちぴちはねているのを見つけました。漁師は、何の苦労もなく(一切労働力の投入をせず)、瞬時に、食料としての魚を手に入れることができました。

この資産増減は、【Ⅰ】ストック自己増減①+ストック自己増殖にあたります。

自己資産の一切の減少を伴わず、獲得した魚の大きさの分だけ、瞬時に、資産が増加しているのが見て取れます。

<フローx単体>自給自足における⑥事業フロー投入

この日の朝のように、毎日必要な魚が浜辺に打ち上げられていれば良いのですが、なかなかそうもいきません。漁師は魚が浜辺に打ち上げられていない時には、生きていくために、魚を獲りに海に出なければなりません。この海に出て魚を獲って家に戻るという一連の活動を、『漁』という『事業』と捉えることにします。

漁師は『事業としての漁』に自らの労働力を投入します。労働の種類は様々です。単に海に潜って銛で魚を突いて捕獲する、あるいは釣り竿・釣り針・釣り糸を製作し浜辺で魚釣りをして捕獲する、あるいは釣舟と漁獲網を製作し舟で海にでて漁獲網で漁をするなど、多岐にわたります。労働の種類は様々ですが、それらをまとめて『漁事業』と捉えて、漁師はその事業に自らの労働力を投入し、事業でフローを回した結果、魚を獲得します。

この資産増減は、【Ⅲ】自己フロー投入⑥事業フローにあたります。

期初に自らの資産である労働力の一部を投入し、漁事業フローを回した後、期末に魚を回収しているのが見て取れます。

投入した労働力の大きさと、回収した魚の量については、<労働力と剰余の関係>として後日改めて詳細分析しなければならないと考えますが、ここでは深入りしません。ここでは、投入した労働力と回収した魚の量が等価であることを前提とし、その前提では下図のようなBSになります。

<フローx単体>労働力を回復する⑤消費フロー投入

漁師は事業フロー投入して魚(食料)を獲得しましたが、事業投入した分だけ労働力=生命力が減少しており、これを回復せねばなりません。そのため、漁師は捕獲した魚(食料)を消費します。

つまり、消費フローに食料を投入し(魚を食べる)、消費フローで食料を回し(消化器官で消化し)、労働力=生命力を回収(回復)します。

この資産増減は、【Ⅲ】自己フロー投入⑤消費フローにあたります。

魚を獲るために減少した労働力は、取った魚を消費することで回復します。ここでは、取った魚の摂取によって回復できる労働力は、その魚を獲るために投入した労働力と等価であることを前提とし、その前提では下図のようなBSになります。

ちなみに、消費フローは自給自足固有のものではありません。他の経済形態においても、食料あるいは食料以外の消費物を消費するしくみは変わりません。経済形態に関わらず共通する資産増減類型と言えます。

以上で自給自足経済における資産増減類型の確認ができました。

自給自足における貨幣的機能(1)『価値尺度』

では、確認した資産増減類型を眺めながら、自給自足における貨幣的な機能は何であるか俯瞰してみましょう。

まずは、貨幣的な機能の一つ目、『価値尺度』です。

『価値尺度』は、価値を測る基準です。価値を測る基準はどのような場面で必要かというと、必要なものを手に入れる際に、その必要なものの量(価値の大きさ)を、自らにとって極めて身近で自らの目線で基準となる他のものの量に置き換え、必要なものを自らにとって身近な他のものを利用してどのように手に入れるか、実感をもって理解し行動する場面と言えます。

ここで、漁師にとって必要なものは、魚です。魚の量を漁師自らの基準で測ることになりますが、魚の量に対応する漁師自らの基準とは、魚を獲るために投入する漁師の労働力に他なりません。自らの生命活動を維持する魚の量を確保するために必要な労働力はどのくらいか⇨何時間漁に出ればよいか⇨投入する労働力はどの程度か、という様に、漁師自らの労働力の量で魚を測ることになります。

つまり、自給自足における『価値尺度』は、『労働力』となることが見て取れます。

自給自足における貨幣的機能(2)『交換媒体』

貨幣的な機能の2つ目、『交換媒体』は、文字通り、必要なものを手にいれるために仲介するものです。必要なものは魚ですから、魚を手に入れるために交換しているもの、ということになります。これはわかりやすいですね、魚を手に入れるために引き換えているものは、『労働力』です。

『労働力』が自給自足における『交換媒体』となります。

『価値保存』から発生する『剰余』

貨幣的機能の三つ目、『価値保存』は、時間を越えて価値を保存する機能です。

ここではまず、漁師がどのような場面で価値保存の機能を必要とするのか、またはしないのか、を見てみましょう。

まず、漁師が一年中魚が獲れ放題に獲れる海辺に住んでいる場合はどうでしょう?

お腹が減ったら海に行くとすぐに魚が獲れるので、その日に食べる分以外の魚を獲る必要はありません。一年中この状態が続きます。明日の魚は明日海に行って取ればよいので、明日の分まで頑張って取る必要はありません。

これは、時間を越えて価値を保存する必要がない、という状況です。

このような場合は、価値保存の機能は必要ではありません。もしその日必要な量以上の魚(これが『剰余』に当たります)が獲れたとしても、価値保存しておく意味がないですから、魚は海に返してしまうでしょう。翌日また取りにくれば良いので。そのような場合は、剰余が発生しません。

※ 上図では、労働力を投入して魚を獲る「事業フロー」と、取った魚を消費して労働力を回復する「消費フロー」が循環して回っている状態を合わせて、『フロー投入/フロー回収』という矢印で表現しています。

一方、漁師が冬の半年間は魚が全く獲れない海辺に住んでいる場合はどうでしょう?

物々交換は始まっておらず、自分が獲る魚しか食料の当てがありませんので、冬が始まる前に、魚を獲って保存しておかなければ、冬に食料が無くなって飢え死にしてしまいます。この場合は、生存手段として、価値保存が必要となります。

夏の間は一日の必要量を超えるので海に返していた魚を、来たる冬に備えて海に返さずに保存しておく、あるいは保存用の魚を獲るために追加労働力を投入するなど、種々方法を駆使して保存用の魚を確保します。価値保存する魚の分、総資産は増加することになります。

この価値保存が発生して総資産が増加している状態は、現在の会計上の概念でもある『剰余』が発生している状態であることがわかります。そう、貨幣の機能のひとつである『価値保存』の機能がすなわち、『剰余』を生み出していることが見て取れます。

自給自足における貨幣的機能(3)価値保存

『価値保存』の機能が『剰余』を生み出していることを確認しましたが、それでは価値保存の機能を果たしているものは何でしょうか?前の項で述べた冬に備えて魚を蓄える、というケースからは、魚の様な『物品』が『価値保存』の機能を果たしていることは直ぐに理解できます。

一方、貨幣の他のふたつの機能、『価値尺度』『交換媒体』では、『労働力』がその機能を果たしていることは確認しました。では、『価値保存』でも『労働力』がその機能を果たしているでしょうか?

冬に備えて魚を蓄えるというケースで、『物品(魚)』が『価値保存』の機能を発揮したのは、『事業フロー』の結果でした。では、もうひとつの『消費フロー』では、『労働力』が『価値保存』の機能を果たしているということになるでしょうか?

例えば、船が遭難して乗客の少年が一人で無人島に流れ着いた、というケースで考えてみます。無人島なので少年は一人で自給自足で生きていかねばなりません。幸い、その島には果物、獣など食料になる動植物が豊富にあり、少年が生きていくには十分です。少年はその環境で、一年、また一年と救助を待ちながらも時間が経過し、少年は青年になり、大人になっていきます。

少年が大人に成長していくと、筋力が増大し、種々経験を経て知力もついていきます。その結果、大人になってからのBSの労働力/生命力は、少年時代のBSに比べて大きく増大、つまり、総資産が増大しています。これは剰余が発生し積みあがっている状態です。

ではその総資産の増加分、つまり剰余の実態は何かというと、それは少年の労働力/生命力と言えるでしょう。つまり、『消費フロー』で回復・増加する『労働力』が『価値保存(剰余)』されていることが見て取れます。

つまり、消費フローの結果、『労働力』も『価値保存』の機能を果たしていることが確認できます。

※ 上図の「漁師」を「少年」と読み替えてください。

ということで、自給自足における『価値保存』の機能をまとめると、自給自足では『物品』『労働力』が『価値保存』の機能を果たしていることが見て取れます。

今回は以上です。次回は、『物々交換』における貨幣的機能について見ていきます。

それでは。

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

(補足)

*1 実際の自給自足/漁師のBS借方/資産は労働力のみならず、労働力を投入して獲得した固定資産(家屋・道具・占有した土地等)もあると思いますが、それら固定資産すべては労働力を投入して獲得したものと考えられます。よって、原初資産としては唯一、労働力があったと考えて、労働力を中心に検討することにします。

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