=マインドコントロールを駆逐できるのは『政治の力』=
(46)目次 ・福岡5歳児餓死事件を見ていて感じる旧統一教会問題との共通性 ・違法マインドコントロールに対する現行法の限界 ・違法マインドコントロールを駆逐できるのは『政治の力』
こんにちは。柳原幸太郎です。
福岡5歳児餓死事件のニュースを見ながら、なんて痛ましいことが起こってしまうのかと、気が滅入る思いで進展する裁判のニュースを見ているのですが、ニュースを見ながら、他の事件とのある共通性のことを考えています。そう、旧統一教会、マインドコントロールの問題です。
福岡5歳児餓死事件を見ていて感じる旧統一教会問題との共通性
5歳児餓死事件では、母親の碇氏側は被告の赤堀氏に“支配されていた”、つまりマインドコントロールされており、結果として5歳児を餓死させるに至ったと主張しています。これに対し被告・赤堀氏側は、支配していない、と全面的に争う姿勢を示しています。
【独自解説】死亡時の皮下脂肪は1mm…5歳児餓死に“ママ友”が「洗脳」否認、「第三者の責任の立証難しい、必要なのは物的証拠」今後の争点を弁護士が解説 Yahooニュース 8/30(火) 15:24配信 https://news.yahoo.co.jp/articles/64afb816a701766aa343fd9ad0e492de298b0d6d?page=1
記事の中ではマインドコントロール、あるいは、洗脳、という単語が飛び交っていますが、それらの単語を眺めながら、現在社会問題として大きくクローズアップされている、旧統一教会の問題を思い出すのは、当方だけではないでしょう。
赤堀氏、碇氏の間に宗教的な関与がある記載は見当たりませんが、人の弱みに付け込んでマインドコントロールして相手の心を思い通りに操る図式は、旧統一教会などカルト宗教の手法によく似ています。
マインドコントロールに対する現行法の限界
5歳児餓死事件の記事で裁判経緯が確認できますが、ここからも、マインドコントロールによる詐欺の立証の難しさを窺うことができます。裁判ですから、マインドコントロールをしている証拠、となると、ラインの文面とか録音データとか、具体的なものが必要になります、普通に生活しながら、裁判で使えるかような証拠の類を蓄積するのは、確固たる信念を持っていないと行動に移せない様に思えます。
少なくともマインドコントロールに陥ってしまったら、本人がそのような確固たる意志を持てるかは甚だ疑問で、親族縁者が専門家のアドバイスを受けながら高度なテクニックを駆使する必要がありそうです。
つまり、『人の心を証明せよ』は、とてもハードルが高い。その立証の難しさを逆手にとってマインドコントロールを悪用する詐欺集団・カルト宗教集団の行為により不幸に陥る人の被害を食い止める枠組みを社会に装備することは、現在の複雑さを増す社会情勢では益々重要になっているように見えます。
特に旧統一教会問題の場合、マインドコントロールされた信者が自ら被害を訴えない限り、つまりマインドコントロールが完全に解けない限り、いくらその親族縁者に被害が及んだとしても、裁判では救う方法が無い、とされています。その結果として、山上容疑者による安倍元総理銃撃事件が発生していると見えます。
マインドコントロールを駆使・悪用して人を欺いて陥れる反社会的集団に対しては、個別の裁判で争うのは限界があるように見えます。そのような集団に対しては、違法な行為を特定して反社会的集団として認定し、解散などの政治行政の対応をすることが不可欠と言えるでしょう。
違法マインドコントロールを駆逐できるのは『政治の力』
旧統一教会問題に過去40年間取り組んできているジャーナリストの有田芳生氏が、過去オウム真理教の宗教法人としての解散命令が出た後、旧統一教会をそこまで追い込めなかったのは『政治の力』だ、との当時の警視庁幹部のコメントを聞いたとの発言しています。
羽鳥&玉川氏が絶句フリーズ 有田議員が旧統一教会捜査に「圧力」と発言「政治の力」トレンド入り Yahooニュース 7/18(月) 16:06配信 https://news.yahoo.co.jp/articles/de736b3583a6573538f09192b31df5af1f85b79c
もしこれが事実とすれば、ゆがんだ自民党と旧統一教会との関係により、被害を受ける国民が多数発生しているということになります。
個別の裁判ではマインドコントロールが解けない信者は被害を認定しない事情から事件は成立せず、やはり、マインドコントロールを駆使・悪用して人を金銭的に搾取する集団を反社会的集団として認定して、包括的な防止措置が取られない限り被害を食い止めることはできないように見えます。弁護士の本村氏も、過去の旧統一教会の違法行為から、全国霊感商法対策弁護士連絡会が旧統一教会の解散請求を求めたにも関わらず、文化庁宗務課が対応していないのは怠慢、との意見を出しています。
本村弁護士、旧統一教会「布教活動が違法と司法判断」解散申し立てないのは「怠慢」 デイリー 2022.09.03 https://www.daily.co.jp/gossip/2022/09/03/0015607255.shtml
このように、過去やるべきことをやっていないとしか思えない政治行政側に対しては、はは~ん、やはりそうだったのか、と疑いの目を向けざるを得ません。
ただ今回は、安倍元首相銃撃という衝撃的なテロ事件をきっかけとして、大手メディア・ネットが集中的に本件を追求・報道をしており、事実解明と本腰を入れた対応に期待をしたいところです。
過去、政治の力でやるべきことをしていないことが明らかになったのであれば、今度こそ、それらは実行されなければならないでしょう。
旧統一教会の違法認定・反社認定をする前に決別宣言を(フライングで)出したことで、信教の自由がある中で反社認定もされていない教団の信者を差別するのか、などもっともな突っ込みを入れられている、混乱の極みにあるように見える岸田首相。先の参院選で、皮肉にも、旧統一教会問題に起因する安倍元首相襲撃事件の同情票の上積みによる大勝で確保した『黄金の3年』を使い、『政治の力』を発揮してどこまで旧統一教会の反社会的行為を日本社会から駆逐できるのか。注目して見ていきたいものです。
それでは。